萩野むつきの色々

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<<   作成日時 : 2009/01/06 22:20   >>

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L:双子の猫={
 t:名称=双子の猫(ACE)
 t:要点=白,黒,子猫
 t:周辺環境=レンジャー連邦
 t:評価=全能力3
 t:特殊={
  *双子の猫のACEカテゴリ = 個人ACEとして扱う。
  *双子の猫は猫、猫の神様、猫妖精として扱う
 }
 t:→次のアイドレス = 成長(イベント),ごろんちょ?(絶技),ミルク大好き?(イベント),肩のり?(技術)


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建て直したばかりの家にレンジャー連邦の強い陽射しが照りつける。
しかし、石で組まれ砂漠気候に適した住居の中は案外涼しく、庭に続く硝子をはめ込んだ格子戸を開けると、オアシス特有の緑の香りがする風が入って来た。

「懐かしの我が家…だな」
「…うん」
二年近くをFEGの病院で療養に費やし、その後国の戻っても直ぐに絢爛世界からの侵攻が始まっていた為に、落ち着く間も無く二人は夜明けの船に乗り込んでいる。
世界は相変わらず不安定で、常にどこかで火の手が上がる状態ではあったが、それでも自分達にとってつかの間の平和…と、カールとむつきは顔を見合わせ微笑みあった。
「庭広くなったんだ、オレンジの木も少し移動したの」
日よけのターフが落とす強い影、そこに視線を移したむつきが嬉しそうに話す。
「ああ、外から見た時驚いた」
「あはは、100m2あるからね、家の1階より広いんだ」
カールは陽を受けた芝生の緑の眩しさに目を細め、それから隣で笑う自分の妻に笑みを向ける。


…この家で二人は酷い目にあった。
今でも悪夢の様だと思う、しかし、二人はそれを乗り越えてここに帰って来ているのだ。
「あなたのトレーニングにも使えるし、誰か車で来ても中に停めておける様になってるんだ。…それに、新しい家族が遊ぶのにいいかなって」
そう言いながらダイニング側からリビングセットを置いたスペースに彼女は向かう。
ソファーの上には持ち手がついた籠が置いてあり、むつきがそれに声をかけると元気な鳴き声が返って来た。
「はいはい、待ってねー」
近付くと鳴き声は更に大きくなる。それは『外にだしてー!』の鳴き声。
蓋を開けると、そこにはまんまる目の子猫が2匹、年末の抽選で当てて宰相様から戴いたまだ生後3週ばかりの黒と白の双子の男の子だった。
その瞳は綺麗なエメラルド色、手足はしっかりして来ているがちょっとまだよろよろで、爪が全開で出ていたり…まだまだミルクも必要で短い毛もぽわぽわしている小ささ…。
「ようこそ、オズ、シュパイツ、今日からここがあなた達のお家だよ」
にっこり笑って彼女は二匹を抱き上げる、子猫は久々だったが第七世界で5匹の猫と暮らしていたのでおっかなびっくりにはならない。
ちなみに白いのが『オズ』、カールが名付け親で、黒いのが『シュパイツ』、こちらはむつきが名付け親である。
名前の由来についてはちゃんとある。
白い方の『オズ(Oz)』は
瞳がエメラルド色だと、カールがオズの魔法使いのエメラルドの都から取り、
黒い方の『シュパイツ(Spatz)』は
ドイツの戦闘機ハインケルHe(フォックスイエーガー)162の開発中の呼び名(ドイツ語で雀)だったのと、燕であるラスターチカにあやかって、とむつきが取ったのである。


「みゃーみゃー」
「いいこいいこー、よろしくねー」
二匹に語りかけながらそのまま夫の元に行く、彼の方はというと開いた格子戸の側でこちらの様子を腕を組んで見ていた。
「やっぱり小さいな」
「まあね、でもすぐ大きくなるよー」
黒と白の子猫は腕の中できょとんとして回りを見回し、周囲の匂いを嗅ぐ。
猫は新しい環境には慎重だ。まあ、子猫だからすぐ慣れるだろうけど。
「姑くは家の中の探検で忙しいだろうなあ」
「ああ、賑やかになりそうだ」
そう言ってカールは組んでいた腕をほどくと、子猫を抱く彼女を横からそっと抱き締める。
「わ!」
不意に増えた家族だったが、自分の妻が勝ち取った子猫は大事に育てると決めていた。
下へ視線を向けると、こちらをじーと見上げる青と翠の瞳に笑みが浮かぶ。
まあ…つまり、久々の我が家、そして大事な家族が側にいるのが彼は嬉しくて仕方なかったのだ。


「ははは」
「ビックリした! もー」
驚いたむつきは顔を赤くすると、そのまま自分の夫に寄り掛かり子猫達の頭を撫でる、優しく。
そうして耳の後ろや襟足をこちょこちょとしてやると、オズとシュパイツは嬉しそうに目を細め、ゴロゴロと甘えた音を出した。
「…この子達、うまく育ったら猫士になれるのよね」
「そうか、それは凄いな」
子猫は宰相府の公園に捨てられていたのを拾われているので、出自が分からないが、普通の猫では無いよ、と飼い主になる事が決まってから教えられているのだが、今はまだ普通の子猫と見分けはつかない。
見ていて面白いのは、二匹とも同じタイミングで顔を動かす所。色が違うだけでこの子達は本当によく似ている。そう思いながらカールも大きな手で小さな猫の背を優しく撫でた。
「その内言葉も話せる様になるみたいだし、私一生懸命話し掛けるんだ」
庭から緑の風が入り二人は目を細める、この家に入る風は本当に気持ちがいい。
子猫達もそう思ったのか、首を伸ばし鼻をひくひくさせて緑の匂いを嗅いでいる。
「猫妖精は…コパイロットとオペレーターができるな」
「そうなのよー、だからね、そうなったらみんなで空飛べるかなって思ってた。…まあ、この子達が育って、そうなりたいと思うならだけどね」
ねえ、オズ、シュパイツ、と彼女は腕の中の二匹に話し掛ければ、
「みゃーー」
と、分かってるのかどうなのか知らないが元気な返事が返って来て、それにカールは笑った。
そして二匹と彼の目が会う。本当に綺麗な色だなと彼はしみじみ思い頷いた。
子猫の方はというとそんな彼をじーっと見上げていたが、彼女の腕に小さな前足を乗せ体を伸ばすと、急にじたばたと動いてその腕からするりと抜け出した。
「いたー!」
自分の腕や肩に二匹分の爪が刺さって、おもわず声をあげるむつき。
オズとシュパイツはそうやって彼女の肩に登ったと思うと、さらにカールのシャツに爪を引っ掛けだす。
子猫の行動に脈絡は無い、登りたくなったから登るのだが、カールは急な展開に慌ててしまう。
「!」
小さくて細い爪は刺さって思ったより痛くて、彼は顔をしかめ声を上げようとした。
がしかし、子猫達は必死だ、小さな体をプルプルさせながら尻尾をピンと上げ、よじよじ、よじよじ、よじよじ… 
「必死だねえ…」
むつきがなんとも言えない顔をしながら呟く。
「…………登り切ったらいいから二匹を下ろしてくれないか…」
二匹の必死な様子に、カールはそれだけをやっと口に出し、そうして、だめだ…一生懸命すぎて怒れない、とガクリと肩を落としたのだった。


少しして、カールの頬に左右からやわらかくて暖かいものが触れて来た、どうやら登り切った子猫達が、頭をぶつけながらゴロゴロゴロゴロ言っているらしい。
「Σぎゃー、可愛い!」
「?」
そうして突然上がったむつきの声に、彼は驚く。
困った事に、動けないでいるカールには子猫がどうなっているのかは確認が出来ない、…強いて言えば可愛いと可愛いと興奮している妻の姿は見える、と思考。
「むつき、オズとシュパイツを下ろしてくれ…」
とにかく落としてしまったら大変だ、とたまりかねたカールは声をかけ、子猫を彼女に肩から下ろして貰う事にした。
「緊張したぞ;」
「あはは、いいもの見たー」
彼女は可愛いかったーと言いながら二匹を床に下ろしてやり、お疲れ様、と複雑な表情をしている彼に笑う。
子猫達はというと今度は二匹でもちゃもちゃと転がり、じゃれながらもリビングダイニングを確認し始めていた。
「やー、元気元気」
にゃーにゃーなきながら家具の匂いを嗅いだり前足で触ったり、テタコッタの床をせわしなく行ったり来たり…。
「元気過ぎないか?」
カールは、そんな子猫達の様子に苦笑しながらむつきに言う。
「んーいいんじゃない? 疲れたら直ぐ寝るよ、寝て、食べて、遊ぶ、子猫だもん」
只、体調とかちょっとした変化に気をつけてあげないとね、彼女は彼の言葉にそう言うと微笑む。
「ああ」
カールは彼女にダイニングの椅子を進めると、これからの事を話そうと彼女に切り出す事にした。


「この子達がミルク離れするまで、私仕事もう少し休む事にしようと思うの」
「そうだな、その方がいい」
「まだちっこいからね」
その間に、機体の事とか整備の事勉強しておくし、そう続けてむつきは笑う。
さすがに小さな子猫を置いて家をあける訳にはいかないだろう、カールもそう思い
「で、ある程度したら、この子達連れて仕事行く」
頷いた後、彼女の発言に椅子からずり落ちそうになった。
「!?、それはまずいだろう!?」
「ん? 摂政に同伴出勤の許可貰ったよ、にゃんこーって喜んでたけど?」
「………」
いいのかレンジャー連邦!? と不思議そうにこちらを見ている自分の妻に彼は首を捻るが、夜明けの船にも猫知類のクララ嬢がいたのを思い出し、そして許可を貰っている事なので…よしとしする事にしたのだった。


「っと、静かになった」
カールが神妙な表情で物思いに耽っていると、不意にむつきが立ち上がる。
「あ、やっぱり寝てる」
彼は顔を上げ、小走りに部屋を移動する妻が向かう先を体を動かして見た。
そこには、床に行き倒れ同然になっている小さな白と黒。ころころのお腹丸出しでお休み中。
その姿に思わずカールの口元も緩む。
「ウチは造り付け家具が多くていいわー、子猫が入るすき間が少ないから」
彼女は笑いながら起きない二匹を拾うと、リビング玄関側のソファー後に新たに置いた猫用の布製のベットの上に子猫達を寝かせ、貰って来た時に籠に入っていたタオルもかけてやった。
「ニャー、かわいいー」
「よく眠ってるな」
座ってこちらを見ていたカールも彼女の元にやって来て、二人並んでしゃがむ。
子猫は本当によく寝ている、それを見ているとても幸せな気持ちになった。
「起きたらお腹空いたーって今度は騒ぐよ」
「ははは、準備だけしておこう」
「うん、ミルク用にお湯湧かしてポットに入れておくかな、後、私達もお茶にしましょう」
「ああ」
そうして笑いながらカールは先に立ち上がると、むつきの手を引いたのだった。


航空機開発史に名を残す戦闘機と、エメラルドの都の王様から名前を貰った子猫達は夢の中。
どんな風に育って行くのかは、これからのお楽しみなのである…。

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